大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)1768 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人岡田唯雄の上告趣意について。

所論は、原判示第一の(一)の焼酎製造は、第一の(二)の雑酒製造の目的をも

つてなされたものであるから、第一の(二)の雑酒製造の一過程としてその事実に

含まれ、包括一罪として処断されるべきであるのに、原審がこれを併合罪として処

断したことは、同一犯罪に重ねて有罪の判決をしたものであり、憲法三九条に違反

すると主張する。しかし、原判決は所論のように雑酒製造の目的をもつて焼酎を製

造したものとは認定していないのであつて、これらの製造行為は、それぞれ別個の

犯罪行為を組成し、併合罪の関係にあるものと判断したものであり、その判断は正

当と認められるさ。れば所論は、原判決の認定しない事実を仮定して、焼酎の製造

が雑酒製造の一過程であることを前提とする違憲の主張であるから、採用すること

ができない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三二年七月二三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!